2008年01月28日
文化遺産!?(其の弐) 自然淘汰?

地方都市の文化遺産的なこのお店、テキーラしか置いていないと前回紹介しましたが、実はビールも密かに置いています。
テカテ・・・
メキシコで一番人気のある国民的ビール。 缶の上蓋にライムを搾って(この店ではレモンですが)塩をふり、そのまま豪快に飲むのがメキシコ流テカテの飲み方。
先代マスター時代はボトルキープしている人(常連)、外国人客しか飲むことの出来ない貴重品でした。でもこのことで、一見さんとの間で些細なトラブルを引き起こすことがあったのです。
以下、先代マスターの言葉は当時を再現するためにこの地方の方言を用いますが、ニュアンス的にきついと感じられるかもしれませんので丁寧すぎる標準語で同時通訳致します。
「バタン!」扉が開いて一見さんが入ってくる。当然、カウンターに座る。しばし、周りを観察・・・
(先代)「いらっしゃい!どうしましょう?」・・・ここは標準語
(客)「う~ん・・・とりあえずビール!」
(先代)しばらくの沈黙の後・・・「あんなぁ、あんたなんしにここに来たんかえ?店ん名前わかっちょんのやろ?今、前で見ち来たんやないんかぇ!」 (申し訳ございません、お客様。この店をお選びになっていらしたのはどうしてでございましょうか?この店の名前はご存じでしょうか?今、前でごらんになっていらしたのではないでしょうか?)
(客)「・・・・・・・・!?」
(先代)「うちはなぁ・・テキーラっちゅう店なんや!看板にも書いちょんやろ!周り見ちみぃ、テキーラしかねぇやろ!ビールなんかないでぇ!」(お客様、当店はテキーラという店でございます。看板にもそのように書いてございますが・・・恐れ入りますが周りをご覧下さい。テキーラしかございません。ビールはお出ししていないのですが)
客はここで2通りに分かれる。
「ここはテキーラの店だ。自分の頼み方が間違っていた。」と反省 → 店に居着くようになる。
「客をバカにして・・・」と怒って帰る。 → 当然二度と来ない。
先代の強烈な個性が魅力的ではありました・・・
今はどなたでもビールを頼めば出してくれます。もちろんテキーラがメインですが・・・
そして扉の近くのこのおじさんはずっと微笑んで見守ってくれています・・・




